アガサ・クリスティー ミス・マープル、シーズン1第1話「書斎の死体」のあらすじと感想です。
グラナダ版ミス・マープルの登場!
マープルの住む小さな村セント・メアリー・ミードでの事件です。
あらすじ
バントリー夫妻が暮らすゴシントン館の書斎で、若い金髪の女性の死体が発見される。
妻ドリーはすぐに友達のジェーン・マープルに連絡し、現場を直接見てもらう。
アーサー・バントリーに疑いが向く中、彼もドリーも被害者の女性については何も知らない。
アーサーの友人でもある州警察の本部長メルチェット大佐がこの事件を直接捜査をすることに。
バジル・ブレイクが若い金髪女性を連れていたという情報を得て、メルチェット大佐は彼の家へ。
大佐が尋問中に金髪女性のダイナ・リーが戻って来てブレイクに当たり散らし、被害者ではないことがわかる。
ブレイクの家にはすでに教会の寄付集めだと、ジェーンが先回りしていて来ていた。
失踪届から、被害者はマジェスティックホテルのダンサー、ルビー・キーンだとわかり、いとこのジョージーが身元を確認する。
ジョージーもマジェスティックホテルのダンサーだが足をねんざしてしまって踊れず、いとこのルビーを呼んで代役を頼んだとのこと。
ジョージーは1回目のエキシビジョンダンスでルビーがパートナーのレイモンドと踊った後、宿泊客の男性と踊っていたのを見たのが最後だった。
2回目のエキシビジョンダンス直前になってもルビーが現れないとレイモンドが呼びに来て2人でルビーの部屋へ探しに行くが、ルビーの姿はなかった。
仕方なく、ジョージーはねんざしていたが痛みをこらえて、エキシビションダンスを踊った。
雑感
ミス・マープルも演じる役者さんによって、かなり印象が違いますね。
ジェラルディン・マクイーワンさん演じるマープルは色白で、とてもチャーミング。
特に笑顔が素敵で心から楽しんでいるんだなってわかります。
しぐさもかわいいし表情も豊か!
人をじっと観察する時の目はとても鋭く注意深く細部まで見ていて、ちょっと怖さもありました。
エピソードは全体的に雰囲気が明るめで建物や衣装などもゴージャスだし、時代設定は変えていないけど今風にまとまっていました。
登場人物は男女問わず美形の方が多く、キャラ立ちしていました。
ドリーことバントリー夫人はマープルさん以上に好奇心旺盛で、行動力もハンパないですね。
セント・メアリー・ミードの住人達から夫がどう見られているかわかっていたし夫がかなり落ち込んでいで、早く事件を解決したいから、いつも以上にパワーがあったのかも。
すぐにホテル行きを決めてジェーンと一緒に向かったし、事件関係者と積極的に話して情報を集めていましたから。
メルチェット大佐はマープルさんの実力は大いに認めているけど、警察にとっては厄介な存在。
警察の面子は潰されたくないけど、彼女がいないと事件が解決できない…。
そんなジレンマがあって、マープルさんを煙たがっていました。
「ああ、またか」とマープルが事件に関して何か言う度につぶやいて、頭を抱えていましたから。
動機は愛か金かで、マープルさんは愛だと言って見事に事件を解決しました。
ドラマ独自のエンディングはアリっちゃアリだけど、ちょっとトリッキーすぎやしませんか。
制作陣が多様性の今の時代に合わせたのもあるし、今までのマープル作品とは違うっていうのを強調したかったのはわかるんですけど、もうひと捻り欲しかったですね。
個人的にお気に入りのシーンはドリーとマープルさんとで、車でホテルに向かうシーンです。
ドリーはおしゃれにキメていたのに、あのマープルさんの帽子はインパクトありすぎで、思わず笑っちゃいました。
キャスト
■ ミス・マープル – ジェラルディン・マクイーワン
セント・メアリ・ミードで一人暮らしをしている老婦人。
ゴシントン館で死体が発見され、館に住む友達のドリーに呼ばれる。
被害者が働いていたホテルへドリーと行き、関係者から話を聞いて推理を巡らせる。
■ コンウェイ・ジェファースン – イアン・リチャードソン
マジェスティック・ホテルに住む富豪。
ドイツ軍の爆撃で、息子と娘を失っている。
ダンサーのルビーをかわいがっていて、養子縁組をしようとしていた。
■ アデレード・ジェファーソン – タラ・フィッツジェラルド
死亡したジェファーソンの息子の嫁で、子供が1人いる。
マークに惹かれているとドリーにもらす。
■ マーク・ギャスケル – ジェイミー・シークストン
死亡したジェファーソンの娘の婿。
多額の借金があり、ジョージーに気がある。
■ エドワーズ – ガイルズ・オルダーショウ
ジェファーソンの世話係。
■ パメラ・リーヴス – フローレンス・ホース
16歳の女の子で行方不明になっていたが、後に焼死体で発見される。
■ ドリー・バントリー – ジョアナ・ラムレイ
アーサーの妻で、ゴシントン館に住んでいる。
事件が起きてすぐに友達のジェーンに連絡し、一緒に調査を始める。
■ アーサー・バントリー大佐 – ジェームズ・フォックス
ゴシントン館の主人。
事件のことで参っていて、豚をながめたりして気を落ち着かせている。
■ メルチェット大佐 – サイモン・カロウ
州警察の本部長で、アーサー・バントリーの友人。
ハーパー警視とともに事件の捜査に当たる。
■ バジル・ブレイク – ベン・ミラー
ゴシントン館近くに住む芸術家。
ルビーのバッグに彼の写真が入っていて、ジェファーソンが嫉妬する。
■ ディナ・リー – エマ・クック
ブレイクの恋人。
パーティーでブレイクが別の金髪女性と親しくしていたと、けんかになる。
■ ヘイドック医師 – ロビン・ソーンズ
セント・メアリ・ミードの医師。
ルビーの死亡時刻を推定する。
■ スキャンパー – ブルース・マッキノン
メルチェット大佐の部下。
■ ハーパー – ジャック・ダヴェンポート
デーンマスの警視。
ルビー・キーンの事件をメルチェット大佐と一緒に捜査する。
■ ジョージー・ターナー – メアリー・ストックリー
ルビーのいとこで、マジェスティックホテルのダンサー。
足をねんざして踊れなくなり、ロンドンからルビーを呼び寄せる。
■ ルビー・キーン – エマ・ウィリアムズ
絞殺され、ゴシントン館の書斎で見つかる。
ジェファースン氏に気に入られ、彼と彼の家族らと過ごすことが多かった。
■ レイモンド・スター – アダム・ガルシア
マジェスティック・ホテルのダンサー、テニスコーチ。
ルビーのエキシビションダンスのパートナー。
■ ジョージ・バートレット – デヴィッド・ウォリアムス
生きているルビーと最後に踊ったホテル客。
中庭に止めてあった車を盗まれてしまう。
■ プレスコット – リチャード・ダーデン
ホテルの支配人
■ ピーター・カルモディ – スティーヴン・ウィリアムズ
アデレードの息子で、ジェファースンの孫
■ フローレンス – ゾーイ・ソーン
パメラの友達で、パメラがカメラテストを受けに行ったと証言する。
作品データ
原題:The Body in the Library
放送日:2004/12/12
監督:アンディ・ウィルソン
脚本:ケヴィン・エリオット
コメント