アガサ・クリスティー ミス・マープル、シーズン2第1話「スリーピング・マーダー」のあらすじと感想です。
ミス・マープルは、不穏な幻覚をよく見る若い女性グエンダに力を貸します。マープルはグエンダから話を聞き、彼女が見たものは幻覚ではなく過去の記憶だと告げます。
あらすじ
婚約者チャールズと結婚しイギリスで暮らすため、インドからやって来たグエンダ・ハリディ。
チャールズは重要な仕事のためまだインドに残っていて、イギリスではチャールズの部下ホーンビームが出迎える。
グエンダは理想の家ヒルサイド荘を見つけて暮らし始めるが、隠された扉の壁紙に見覚えがあったり、階下で女性が死んでいる幻を見てしまう。
グエンダが心配になったホーンビームは知人のマープルに調査を頼み、マープルはグエンダから話を聞くことに。
マープルはグエンダが見たのは幻ではなく子供の頃の記憶だと言って、彼女や彼女の過去を調べ始める。
町で聞き込みをし、当時、ヒルサイド荘でメイドとして働いていた女性パジェットを見つけ出す。
彼女はグエンダの父ケルヴィンと旅一座の歌手ヘレンについて語り、近くに住むグエンダの伯父ジェームズから話を聞くようすすめる。
ケルヴィンはヘレンに一目ぼれして付き合い始め、結婚の約束をしていた。
しかし、ヘレンは姿を消し結婚式の日にも役所に現れず、しばらくしてヘレンから「幸せに暮らしている」という内容の絵葉書が届いた。
その後、ケルヴィンの遺体が崖の下で見つかり自殺だと断定され、幼いグエンダには真実を誰も知らせなかったと語る。
雑感
ホラー要素ありミステリーあり、恋愛ありで、楽しめる作品でした。
マープルさんの出番が少なかったのがちょっと不満だったけど、要所要所をきちんと押さえて、最後にはいつも通り冴えわたる推理を披露してくれて良かったかな。
グエンダとホーンビームコンビは愛らしくて素敵だったし、序盤からお似合いでしたね。
グエンダは1人でヒルサイド荘で眠るのは不安だったみたいで、ホテルに泊まるより便利だみたいなことを言ってホーンビームを引き留めていたし…。
グエンダはマープルさんほどじゃないにしても、賢くて観察眼にも優れています。
元メイドのリリーはヘレンの荷物が消えているのを見て、北極へでも行くのかと思ったみたいです。
他の人は気にも留めなかったし変な事を言っているくらいにしか思っていなかったけど、グエンダは違います。
ヘレンが消えた夜は季節は夏の終わりなのに、冬物の服がなくなっていたのにリリーが気づいた、というのをグエンダは見抜いたんですから。
ホーンビームも賢いってグエンダのことをほめていましたね。
グエンダがホーンビームのメガネを取って急接近したシーンがあったけど、メガネなしの彼はけっこうイケメンでした。
良いムードだったのに邪魔が入って残念でした。
ホーンビームは「ひざまずいてプロポーズなんかしない」とカッコつけて言っていたのに、最後にはやっぱりひざまずいてプロポーズ!
プロポーズはロマンチックにひざまずいてって思ったのかもしれないですね。
まだ間に合うと背中を押してくれたマープルさんにも、きっと感謝しているでしょう。
この時代は冷蔵庫が高級品たったみたいで、メイドのパジェットさんがやたらと冷蔵庫を使いたがっていたのも面白かったです。
キャスト
■ ミス・ジェーン・マープル – ジェラルディン・マクイーワン
知人のヒューに呼ばれて、ヒルサイド荘にやって来る。
グエンダの幻覚は過去の記憶だと言い当て、独自に調査を始める。
■ ケルヴィン・ハリデイ – ジュリアン・ワダム
グエンダの父。
ファニー・ボーンズのヘレンと婚約していたが、結婚式に彼女が現れなかった。
■ デサイ巡査部長 – エミリオ・ドゥアガシン
インドの警察官。
■ グエンダ・ハリデイ – ソフィア・マイルズ
インドから故郷イギリスへやって来た、婚約中の若い女性。
一目で気に入った屋敷で、人が殺される幻覚を見る。
■ ヒュー・ホーンビーム – エイダン・マクアードル
グエンダの婚約者の部下。
過去の事件についてグエンダ達と調べ始める。
■ ジョージ・アースキン – ハリー・トレッダウェイ
ディッキーとジャネットの息子。
ウォルター・フェーンの事務所で働いている。
■ シムズ – リチャード・ブレマー
ヒルサイド荘をリフォームしに来た業者。
■ ヘレン・マースデン – アンナ=ルイーズ・プロウマン
旅一座ファニー・ボーンズの一員で、一番の売れっ子。
ケルヴィンと婚約していたが姿を消し、結婚式には現れなかった。
■ マルフィ公爵夫人 – ハリエット・ウォルター
マープル、グエンダ、ホーンビームが見に行った劇の登場人物。
■ フェルディナンド – グレッグ・ヒックス
マープル、グエンダ、ホーンビームが見に行った劇の登場人物。
■ ウォルター・フェーン – ピーター・セラフィノウィッツ
ヘレンの友達で、現在は弁護士。
ファニー・ボーンズの最後のステージを舞台袖から見ていた。
■ パジェット夫人 – ユーナ・スタッブス
当時のヒルサイド荘のメイド。
ホーンビームが現在のヒルサイド荘でも、メイドとして雇う。
■ リリー・タット – ヘレン・コッカー
パジェットと一緒にヒルサイド荘で働いていたメイド。
グエンダ達と会う直前に殺される。
■ ディッキー・アースキン – ポール・マッギャン
ファニー・ボーンズのリーダーで、ジャネットの夫。
ファニー・ボーンズ最後の夜、ジャッキーに殴られる。
■ ジャネット・アースキン – ドーン・フレンチ
ファニー・ボーンズの一員で、ディッキーの妻。
ファニー・ボーンズ最後の夜、ディッキーに子供が出来たと告白する。
■ ライオネル・ラフ – ニコラス・グレイス
ファニー・ボーンズの一員で、マジックが得意。
現在は死亡している。
■ イヴ・バランタイン – サラ・パリッシュ
ファニー・ボーンズの一員で、ダンスしながら木琴で演奏していた。
現在は大成功し、ロンドンで人気シンガーとなっている。
■ ジャッキー・アフリック – マーティン・ケンプ
ファニー・ボーンズの一員で、ヘレンに気が合った。
違法な薬をジャネットに売っていた。
■ ジェイムズ・ケネディ – フィル・デイヴィス
グエンダの伯父。
ディルマスで精神科医をしている。
■ アーサー・プライマー警部 – ラス・アボット
引退間近の警部。
マープルが事件を掘り返し、引退が遠のく。
■ フェーン夫人 – ジェラルディン・チャップリン
ウォルターの母。
ヘレンが姿を消した夜、息子は家にいたと言っている。
■ ジム・タット – ヴィンセント・レイ
リリーの夫。
リリーに新聞広告には連絡するなと忠告する。
作品データ
原題:Sleeping Murder
放送日:2006/2/5
監督:エドワード・ホール
脚本:スティーヴン・チャーチェット
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