アガサ・クリスティー ミス・マープル、シーズン3第1話「バートラム・ホテルにて」のあらすじと感想です。
ミス・マープルは思い出深いバートラム・ホテルで休暇中、殺人事件が起きてしまいます。メイドのジェーンと協力し、事件を調べ始めます。
あらすじ
ミス・マープルは子供の頃から何度か訪れている由緒正しきバートラム・ホテルで、休暇を過ごすことに。
ホテルで偶然、友達のセリーナ・ヘイジと再会する。
彼女は亡くなった親類の遺言読み上げのために、ホテルにやって来たとのこと。
冒険家のベス・セジウィック、ベスの娘エルヴァイラ、エルヴァイラの友達ブリジットも滞在中で、セリーナと同じく遺言状読み上げに参加する予定。
ある晩、ホテルのメイド、ティリーが屋上で絞殺され、バード警部補が捜査の指揮を執ることに。
マープルは気づいたことを警部補に話し死体を見せてほしいと頼むが、断られてしまう。
メイドのジェーン・クーパーに声をかけられ、別ルートから屋上に行けると案内してもらう。
マープルはティリーの帽子を外すと、髪が乱れていて不審に思う。
ジェーンは助手にしてくれとマープルに頼み、2人でティリーの死について調べ始める。
ジェーンはティリーの日記を持っていて、殺された日には「123 金を受け取る」と書かれてあった。
ティリーは不似合いな帽子をかぶっていて、恐らく、ベスと間違えて殺されたらしい。
マープルはベスとエルヴァイラが口論しているのを偶然耳にし、ベスが丸めて投げ捨てた手紙を拾う。
手紙は脅迫状で、誰かがベスを殺そうとしていた。
翌日、2階の部屋から水が滴り落ちて来て停電し、外では銃声が聞こえる。
2階の部屋からライフル銃で、道を歩いていたエルヴァイラを撃つ。
エルヴァイラを助けようとかばったホテルのドアマン、ミッキー・ゴーマンが撃たれて死亡する。
バード警部補とマリノフスキーがドアを破って部屋に入るが、窓辺にライフルが残されていただけで誰もいない。
また、部屋は内側から鍵がかかっていた。
雑感
ミス・ジェーン・マープルと同じジェーンという名前のメイド、ジェーン・クーパーとのコンビは、相性も良くてかなり優秀でした。
ジェーンもマープルに負けないくらい観察眼に優れているし、考察力もありますね。
しかも、セント・メアリー・ミードのバントリー家の親類だというから、何たる偶然!
ジェーンは元々頭が良くて鋭いし、メイドとしての経験もあるから何かを探り出すのにはぴったりの役回りです。
まだちょっとマープルさんには及ばずで、要の部分の推理はマープルさんが謎解きをしていてさすがでした。
あと何年かすれば、ジェーンもマープルさんみたいな優秀な探偵になれそうですね。
女性が活躍できる時代になったら警察に入りたいと言っていたし、2代目ジェーンになれそうな素質があります。
マープルさんがジェーンに「年を取るの」とアドバイスしていたのが最高でした。
マープルさんもジェーンだけに捜査を任せておいたわけじゃなく、関係者の秘密の会話をわざと毛糸を落として盗み聞きしたり、強引にエレベーターに乗り込んで会話を聞いたりしていました。
マープルさんの割には能動的に情報収集をしていた感じです。
人の良いお年寄りだから相手にも警戒されにくいし、話していてもお年寄りなら何のことかわからないだろうと、みんなマープルさんの前では平気で秘密をしゃべってしまうんでしょうね。
それこそがマープルさんの策略だとは知らずに。
ほとんどの回にロマンス要素が入っていて、今回もバード警部補とジェーンの淡いロマンスがありました。
序盤からくっ付きそうだなと予想がつく展開だったから、あまり驚きませんでした。
ジェーンも警部補も幸せそうだったから、良しとしましょう。
オープニングの子供の頃のマープルさんがすごくかわいかったのと、エンディングのタクシーの上のランプが「THE END」だったのがおしゃれでした。
キャスト
■ ミス・ジェーン・マープル – ジェラルディン・マクイーワン
休暇を過ごしに豪華なバートラム・ホテルにやって来る。
メイドのジェーンと協力し、殺人事件を調べ始める。
■ 若い頃のマープル – イザベラ・パリス
初めてバートラム・ホテルにやって来て、笑顔で車から降りて来る。
■ ミッキー・ゴーマン – ヴィンセント・リーガン
バートラム・ホテルのドアマンで、エルヴァイラをかばって死亡。
趣味で絵を描いていて、絵の中の女性は愛した元妻ベス。
■ ハンフリーズ – マーク・ヒープ
バートラム・ホテルの支配人。
ホテルの評判や品位第一で、大物客は特別扱いしている。
■ エルヴァイラ・ブレイク – エミリー・ビーチャム
ベスの娘で、母親とは疎遠で嫌っている。
友人ブリジットを大切にし、面倒を見ている。
■ ブリジット・ミルフォード – メアリー・ナイ
エルヴァイラの親友で、いつも行動を共にしている。
子供の頃の小児性マヒで、右腕が使えない。
■ ジェーン・クーパー – マルティン・マカッチョン
ミス・マープルのことを親類から聞いていて、一緒に殺人事件を調べている。
調査中にバード警部補と親しくなっていく。
■ カノン・ペニフェザー – チャールズ・ケイ
司祭。
いつも詩篇を引用する。
■ ラディスラス・マリノスキー – エド・ストッパード
レーサー。
エルヴァイラに気に入られるが、ベスの娘だと知り遠ざける。
■ ジャック/ジョエル・ブリテン – ニコラス・バーンズ
双子の兄弟。
見た目はそっくりだが、それぞれ利き腕が違う。
■ アメリア・ウォーカー – ミーシャ・パリス
有名なジャズ歌手。
夫を取られたとベスのことを恨んでいる。
■ セリーナ・ヘイジー – フランチェスカ・アニス
マープルの友達で、親戚の遺言状読み上げのためにバートラム・ホテルへ。
金庫にしまっておいたネックレスを盗まれる。
■ ヒューバート・カーテン – ピーター・デイヴィソン
弁護士で、リチャード卿の遺言状の読み上げを行う。
資産の管理についてベスから疑われている。
■ ルイ・アームストロング – シェントン・ディクソン
トランぺッター。
練習がてらホテルでセッションする。
■ ベス・セジウィック – ポリー・ウォーカー
冒険家でエルヴァイラの母。
何通か脅迫状を受け取っている。
■ ティリー・ライス – ハナ・スピアリット
バートラム・ホテルのメイドで、屋上で殺される。
123号室の客をゆすっていた可能性あり。
■ ムッティ – ダニー・ウェッブ
ドイツ人の帽子職人。
ベスを見て驚き、水を持って来てほしいと頼む。
■ ラリー・バード警部補 – スティーヴン・マンガン
メイドの殺人事件を担当する。
調べ回っているジェーンに危険だと警告し心配する。
■ ティブス – サラ・ロンドン
カーテンの秘書。
■ ライス夫人 – ジョージア・アレン
ティリーの母。
ジェーンからティリーの荷物を受け取る。
作品データ
原題:At Bertram’s Hotel
放送日:2007/4/1
監督:ダン・ゼフ
脚本:トム・マクレー
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