ふたつの墓の謎
ジェシカは自分の先祖の歴史を知るために南部の町カルペッパーへやって来た。この町の歴史に詳しいカサンドラ・ホーキンス先生から18世紀中頃に起きたピンクニー事件の話を聞く。
南部では南北戦争前の奴隷制度が色濃い時代で、白人女性の未亡人サラ・マッカラーの元で働く奴隷サム・ピンクニーが白人の農場主を殺してしまい、森の中を逃げる途中で町民に射殺されたのがピンクニー事件である。
サラこそがジェシカの先祖であり、カサンドラは”サラからサムへ”とメッセージが彫られた先祖代々伝わる懐中時計をもっていて、彼女の先祖はサム・ピンクニーその人であった。
サムの墓はここカルペッパーとペンシルバニアの二ヶ所に存在し、生年月日は同じだが没年月日が違っていて、二つの墓以外にもこの事件には幾つか謎が残されている。
真実の歴史を知りたいとジェシカとカサンドラは過去の資料をみるために史料館へ行き、サラが友人宛に書いた手紙を発見する。
1860年、その日はメアリーと農場主ロバートの結婚式だった。
サラはサムを連れて結婚式の手伝いにやって来るが、町の若者ジェブが小奇麗な格好をしているサムに絡んでくる。サムがサラからわずかだが賃金を貰っていると知ったジェブは奴隷に賃金を与えたサラを非難し、サムのベストの真鍮のボタンをひとつ引きちぎって持って行ってしまった。
サラは馬車の車輪の修理しているロバートとサムを見つけ、氷を持ってくるようサムに言いつけるが、ロバートは”ウチの方が近いから”と自宅の鍵をサムに渡して氷を取りに行かせる。サラは奴隷を信頼して自宅の鍵を預けたロバートに感謝し、彼の懐の大きさや差別をしない考え方に尊敬の念を抱くのだった。
その夜、寝室にいたロバートとメアリーは外で物音を聞き、ロバートが様子を見に行くことに。銃声が町中に響き渡り、町民が駆けつけてみるとそこには胸を撃たれたロバートの遺体があり、現場には真鍮のボタンが落ちていた。
ボタンがサムの物だと分かり町民達はサラの納屋へ押しかけて、サムを縛り首にしようといきり立っていた。ボタン一つで犯人だと決め付けず公正な裁判を受けさせるべきだとサラが間に入って、その場は何とか収まった。
史料館にあったサラの手紙だけでは事件の真相が分からず、更なる手がかりを求めてジェシカとカサンドラは手紙の宛名にあるサラの友人アビゲイルの線から調査を進めることに。
ゲスト
サラ・マッカラー – アンジェラ・ランズベリー
カサンドラ・ホーキンス – フィリシア・ラシャド
サム・ピンクニー – マイケル・ジェイス
スタンフォード・ソーントン – デヴィッド・オグデン・スタイアーズ
チャールズ・ホッブス – マディソン・メイソン
ジェブ・マクネル – ティム・アベル
メアリー・ホッブス・マーサー – エリザベス・ラッキー
アンダーウッド保安官 – マック・デイビス
ルイーザ・アッシュランド – ベス・グラント
ロバート・マーサー – ティム・ディケイ
ビル・ウェーバー – ウォルトン・ゴギンズ
コーネリウス・アッシュランド – ジョン・ホステッター
ベス・ピンクニー – タラジ・P・ヘンソン
ジェレマイア・ジェサップ – キース・ジェファーソン
ローラ・リー・カーステス – リー・ガーリントン
イライザ・フープス – グロリア・スチュアート
ジム – ジェレマイア・バーケット
モーガン・スペンサー – ピーター・シェライコ
DATA
原題:Murder, She Wrote: The Last Free Man
放送日:2001/5/2
監督:アンソニー・ショウ
脚本:マシュー・ソマー
遺言に隠された謎
古い友人エイモン・バーンが亡くなり、その遺言執行に立ち会うためアイルランドのバーン家「セカンド・チャンス」にやって来たジェシカ。生前のバーン氏が遺言の内容をビデオに収め、家族や使用人、関係者達に内容を伝えていく。
そして、ジェシカにも遺産としてセカンド・チャンスからそう遠くない別宅「ローズコテージ」が残された。遺言の内容に不満がある者もいて邸内の雰囲気はギスギスしていて、この場から立ち去る人も出てくる始末。
ビデオにはまだ続きがあり、ここに集まった6人にそれぞれ封筒が渡されて、全員が協力して謎を解き明かせば隠された宝物が手に入ると言う。お金の事しか頭にない家族達はお互いに反発し、協力するどころではない。
ジェシカはローズコテージを見に行くと暖炉には火が灯り、家族から離れて次女のブリータがそこで暮らしていた。ケルト文化に造詣が深く物欲のないブリータとジェシカはすぐに打ち解けて、ジェシカがエイモスとの昔話をしようとしたら、庭師でブリータに気があるマイケルがやって来る。ジェシカとマイケルが封筒の中身を開けてみると、ケルトの詩の一節が書かれていた。
ローズコテージからセカンドチャンスに戻る途中の納屋から物音を聞いたジェシカは中に入ってみると、上から男性が落ちてきた。
男性は使用人のハーリヒーで既に事切れているようだった。ジェシカはオドワイヤー警部に事情を説明し、事故ではなく頭を誰かに殴られた跡があり殺人だと主張する。
その夜、階下の物音に気付いたジェシカは様子を見に行ってみると、ドアから謎の人物のタックルを受けて気を失ってしまう。
そして、バーン家のケルトのコレクションから短剣が盗まれていた。
翌日にはジェシカを警察へ送るためにブリータが車を運転していると、後ろから白い薄汚れたバンに体当たりされて、道脇の垣根に突っ込んでしまう。二人とも怪我はなかったものの、その夜にはケルト祭りで賑わっているバーの外で、マイケルがバーン家から盗まれた剣で刺されて死亡する。
マイケルが携帯電話で外に呼び出された事、同じ頃、ブリータの恋人パディが公衆電話から電話している姿が目撃されている事、剣にパディの指紋が残っていた事から、パディは警察に連れて行かれてしまう。しかし、事件はそれだけでは終わらずさらなる犠牲者が・・・。
ゲスト
マーガレット・バーン – フィオヌラ・フラナガン
ブリータ・バーン – サラ=ジェーン・ポッツ
エイモン・バーン – ピーター・ドゥナット
パディ・ウィレン – シリル・オライリー
ノーラ・フラッド – リン・ワンラス
オドワイヤー警部 – ティモシー・V・マーフィ
マイケル・デイビス – ジョー・マイケル・バーク
トム・モロイ – アンドリュー・コノリー
フィオナ・バーン – ジェラルディン ヒューズ
キティ・マーフィー – ヘレナ・キャロル
ジョン・ハーリヒー – ショーン・ローラー
デニー – ウィリアム・モーガン・シェパード
ハリー・ライアン – ゲリー・ギブソン
マカーファティ – ティーガン・ウェスト
ブリジット・マーフィー – メアリー=パット・グリーン
マラカイ – コリン・マッケイブ
スーザン – アリサ・コリンズ
DATA
原題:Murder, She Wrote: The Celtic Riddle
放送日:2003/5/9
監督:アンソニー・ショウ
脚本:ローズマリー・アン・シッソン、ブルース・ランズベリー
原作:Lyn Hamilton「The Celtic Riddle」
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