第6話 僕の家の戦争と平和
あらすじ・感想
ケビンの両親ジャックとノーマは子供達の前でけんかすることはほとんどなく、いつも上手くやっている。ノーマは焼き物教室に通い始めて、自分で作った鉢に料理を盛る。子供達はよくできているとほめてくれたが、ジャックは何も言わない。
ある日、ジャックが気に入っているカップをしまい込んで、自分が作ったカップを使うようすすめるが、ジャックは機嫌が悪い。うなりながら新聞を読んでいて、手がカップに当たって床に落ちて割れてしまう。
その日から両親の仲が悪くなり、食事中でもほとんど口を利かなくなってしまう。ケビンはこの状況を何とかしようとウェインにマッシュポテトを投げつけるが、父が一言怒鳴っただけで2人とも何も言わなかった。
ノーマは焼き物教室に行くと言っていて、ジャックは帰りにコーラを買って来てくれと頼むが、ノーマが忘れてしまって夫婦喧嘩に発展する。
ノーマは専業主婦ですから、焼き物教室に通い始めて新しい楽しみを見つけたみたいで、いきいきとしていました。
子供達もそんな母の気持ちがわかっているから、あまり出来が良くない焼き物にも、ユニークだなどとほめていましたね。
ノーマはきっとジャックにもそんな風に優しくほめてほしかっただけなのに、ずっと不機嫌なままでした。
ちょっとした我慢が積み重なり、カップが割れた瞬間にいざこざが起きてしまったのでしょう。
両親の仲が悪くなって、何とかしようとマッシュポテトをウェインに投げつけたケビンがいじらしかったです。
後からきっと、ウェインには仕返しされたはずです。
そんなことは言いながらも長年連れ添った夫婦ですから、ちょっとしたけんかも愛情で見事に克服しました。
最後に子供達が見ている前で、ハグしていたジャックとノーマがとてもロマンチックでしたね。
DATA
原題:ottery Will Get You Nowhere
放送日:1989/2/1
監督:ダニエル・スターン
脚本:マシュー・カールソン
第7話 夕暮れに消えたメロディー
あらすじ・感想
ポール達と遊んでいたケビンは母に呼ばれ、ピアノのレッスンへ。カープルズ先生は話のわかる先生で、ケビンは嫌いではない。
いつもレッスンはピアノの天才と呼ばれている少年ロナルドの後で、実力の差を感じていた。
先生から家族の前で演奏する発表会に出るようすすめられるが、他にもやることがあると断ってしまう。次のレッスンで先生はケビンにパッヘルベルのカノンを弾かせ、弾いているうちにケビンも体に電流が走ったような気分になり心の中で何かが変わった。
友達やウェインの邪魔を回避しながらケビンは今まで以上に練習に励み、先生にほめられ気をよくしている。先生が発表会に出られないのが残念と言うと、出てもいいと自分から言って、家でカノンの猛練習を始める。
発表会前のリハーサルでロナルドは自分と同じカノンを弾き、その上手さに圧倒されてケビンはミスを連発してしまう。
ピアノの素晴らしさを教えてくれた先生にせっかくめぐり会えましたが、自分と他人を比較してしまって恥をかきたくないという気持ちが大きく、せっかくの発表会にケビンは出ないという決断を下してしまいました。
ケビンがカノンと出会ってピアノを弾き始めた時に感じた衝撃のおかげで、音楽の素晴らしさやピアノを弾く楽しさを感じられたのは良かったですね。
それがエネルギーとなってポール達のお誘いを断ってまで練習していたのに、やはり、ロナルドの上手さに圧倒されてしまいました。
そこでひるまずミスをしてでも、発表会に出ていたなら違った思い出になっていたのでしょうね。
発表会の日、夕暮れまでポール達といつものように遊び、窓の外から先生のレッスン室をのぞいた時のケビンの後悔と、ピアノに全く触らなくなったという寂しさがとても伝わってきました。
ゲスト
ロナルド・ハーシュミラー – ジョセフ・ロッシュ
カープルズ先生 – マキシン・スチュアート
DATA
原題:Coda
放送日:1989/2/8
監督:ベス・ヒルシェーファー
脚本:トッド・W・ランジェン
第8話 愚兄賢弟
あらすじ・感想
ケビンとポールは来週までに課題を発表するよう言われ、話し合ってハムスターを使った実験をすることに。帰りのバスの中でウェインがケビンを見つけてハムスターで遊び始めてしまう。
母の許可を得てキッチンで実験をやろうとするが、ウェインが文句を言っている。ウェインはアンジェラを家に呼ぶことになっていて、ケビン達が邪魔だと両親に訴えるが聞いてもらえない。しかも、父と母は出かけ姉も留守なので、ウェインの独壇場になりそうな予感だ。
案の定、両親が出かけるとウェインがハムスターを取り上げて脅し、ケビンとポールは寝室から一歩も出ないと約束させられてしまう。
ケビンが実験用のジュースをキッチンに取りに行くと、ウェインが電話でアンジェラに家へ来るよう誘っていたが、数時間経ってもアンジェラは現れずウェインは不機嫌になってしまう。
ケビンの予想のはるか上を行っているウェインは、好きな女の子にまでハムスターを使ってからかうとは思いませんでした。
底抜けにおバカで空気を読めないところがウェインの良さでもありますが、いつもやり過ぎて失敗しているみたいですね。
ケビンはそんな兄貴を口では嫌っていて、嫌な事をされるとその感情も倍増しますが、やはり兄弟なんだなと最後はジーンとしました。
心の底では家族だと思っていて、兄弟仲が険悪になるといたたまれない気持ちになるんだと思います。
けんかしているというよりも、じゃれ合って愛情を確認しあっている兄弟なのではないでしょうか。
ポールは本当に心優しくて、ハムスターを必要以上に心配しているのが印象的でした。
そんなポールにケビンも影響されてハムスターをかわいがり、耳の後ろをなでていたのがかわいかったです。
ゲスト
ダグ – イアン・フリード
アンジェラ – サラ・ジョー・マーティン
DATA
原題:Hiroshima, Mon Frere
放送日:1989/2/15
監督:スティーヴ・マイナー
脚本:マシュー・カールソン
第9話 僕の選んだメンバー
あらすじ・感想
ケビンはポールとは親友で、いつもスポーツの話をしたりバスケをしていたが、ポールは運動神経が鈍かった。体育の授業でバスケをやることになり、キャプテン4人は次々にチームメンバーを選んでいき、ケビンはいつも中盤くらいにどこかのチームへ。
いつも最後はどのキャプテンからも選ばれず、ポールとハリスが残されて恥をかく羽目になってしまう。試合でもポールはチームに貢献できず笑い者に。傷ついたポールはバスケで自分にパスしてくれなかったとケビンを責めて、だんだんと友情にもひびが入り始める。
何とかしようとケビンはカトリップ先生にチーム分けについて意見を言いに行くが、逆に怒らせてしまう。次の授業で先生からケビンはキャプテンに任命され、何を思ったか一番にポールを指名し、次々に運動が苦手な生徒ばかりをチームに加えていく。
ケビンはポールのことを友達として大事に思っていても、バスケの試合となるとチームで勝たないといけませんから、点が取れる子にパスしただけなのでしょう。
ポールのために何とかしたいと立ち上がっただけでも、ケビンは素晴らしいです。
あの陰険なカトリップ先生に意見したまでは良かったですが、ケビンが選ぶ側に立たされてしまったのは先生の仕返しですね。
最初は案の定、運動神経が鈍い子ばかり集まったチームではコテンパンにやられてしまいますし、メンバーもまるでやる気なしでした。
そんな流れを変えたポールのドリームショットはお見事でしたね。
ケビンが意図したものではなかったでしょうが、みんながバスケを楽しむことができたし、ケビンとポールの友情も守られました。
ゲスト
ジョーイ・ハリス – ダスティン・ダイアモンド
パトカス – サリム・グラント
ステットソン – ジョニー・グリーン
グリムリー – アート・ホフマン
シメオネ – アダム・ジェフリーズ
オハラ – マット・ ノレロ
DATA
原題:Loosiers
放送日:1989/2/28
監督:スティーヴ・マイナー
脚本:デビッド・M・スターン
第10話 迷える子羊たち
あらすじ・感想
ケビンはトイレに行ったすきにクラスの代表委員にされてしまい、生徒会の会議に出席する。会議にはポールも来ていて、生徒の1人マークが授業をボイコットして反戦ストライキをやろうと提案して生徒会で決定する。
反戦ストの顧問タイラー先生はざっくばらんで渋く、生徒からも人気になっている。ケビンとポールも反戦ストの実行委員に加わる。
先生は生徒達を集めて手品で楽しませてくれて、生徒が自主的に話し合いをするように持って行く。
具体的なアイデアやみんなの意見がどんどん出て来るが、教頭先生は授業をボイコットしてストをやるのは禁止するとのこと。先生がリードする中みんなで意見を出し合い、デモ実行の署名を集めることに。
400人以上もの署名が集まり教頭先生に持って行く。しかし、教頭は州の法律で禁じられているので、ストをすれば停学になり一生記録にも残ると生徒達を脅す。
タイラー先生がスト当日に学校を欠席したのも、生徒に自分達で勇気を持って行動を起こせという合図だったのかもしれません。
ケビンは先生がいないことで弱気になっていて、ストなんか間違いかもと何となく席を立っただけでしたが、800人もの生徒が集まってストは成功しました。
ケビンが席を立ってトイレに行ったことから始まり、ストの時もトイレに行ったことで決行されたというのが実に面白かったです。
タイラー先生はポールはひらめきの天才と言っていましたが、人をほめるのも上手だし隠れた才能を見出すのも上手でしたね。
ケビンは教頭先生から法律を持ち出されて現実の厳しさを知り、それにも屈しなかったのは大人になってからも良い経験になっているはずです。
大人のケビンが当時のことを思い出していましたが、記録にも記憶にも残る素晴らしい出来事だったのでしょう。
ゲスト
タイラー先生 – デニス・アーント
カレン – メリッサ・クレイトン
ラスティ – ポール・J・ハーキンス
マーク・フーパー – マイケル・マナッセリ
ロリ – リンゼイ・プライス
DATA
原題:Walkout
放送日:1989/3/7
監督:スティーヴ・マイナー
脚本:マシュー・カールソン
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